気になる事

現代のセクハラの境界線について

セクハラは、『セクシャル・ハラスメント』の簡略形になります。
セクハラという言葉が誕生して、約30年が経ちました。
30年というとかなり長い歴史のようにも感じますが、逆に言えば、30年前より、もっと前の時代には、セクハラ行為自体が、特に問題にすらされてこなかったという事になります。
女性蔑視やセクハラ問題が、欧米諸国より遅れている理由がこのあたりにあるのかもしれません。今回は『セクハラの境界線』について検証してみました。


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30年前のセクハラ

セクハラ(セクシャル・ハラスメント)という言葉は、1989年に、新語・流行語大賞の新語部門の金賞を受賞しました。
その頃のセクハラの定義はどのようなものだったのでしょうか?
流行語大賞に選ばれた約30年前、セクハラの代表的な行為は、女性の身体に実際に触れる事でした。
会社内で、上司が若いOLのお尻を撫でたり、胸にタッチしたりと、今では考えられない行為が一般的なセクハラ行為でした。
30年後の現代で、このような行為をしたら、セクハラというより、軽犯罪ですね。

90年代のセクハラ

90年代に入り、次第にセクハラの境界線は女性の身体に接触するという行為から、言葉によるセクハラ行為が、クローズアップされるようになってきました。
例えば、『綺麗な脚してるね~』などの発言もセクハラ行為と定義されるようになりました。

2000年代のセクハラ

上記のような発言は、完全にNGになりましたが、2000年代に突入すると、セクハラの境界線は、さらに厳しくなりました。
例えば、クリスマスイブに『○○ちゃんは、美人でモテるから、今日は誘われて大変でしょ?』などの、一見すると、女性を褒めているような発言も、セクハラの範疇に入れられるようになりました。

現代のセクハラ境界線事情

それでは、2018年現在、セクハラ行為の境界線はどのようになっているのでしょうか?
境界線の例をあげてみます。

男性の性欲を想起させる発言

社内で、既婚の男性社員が、女性社員に対して、『最近、妻とは、ずっとご無沙汰なんだよ。』とか『なんだか年齢とともに性欲増してきたようだ。』などと、相手の女性に対しての発言でなくても、
男性の性欲を想起させるような発言は、セクハラ行為とみなされます。

 

『今日は、薄着だね~』はどうか?

社内で、薄着で生足のOLに対して、『薄着だね~』はどうなるでしょう?
この場合、もし、男性が相手の女性を性的欲望の対象として、明らかに発言していたら、セクハラ行為になります。
しかし、オフィス内の冷房が効き過ぎている場合などに、風邪を引かないかを心配して、『薄着だね~』と言ったのであれば問題ありません。
また、これから取引先の会社にその薄着の女性社員と一緒に出向く際に、先方に失礼になるような服装を指摘しての『薄着だね~』もセクハラとは判断されないでしょう。

『今日は、気合入ってるね~』

いつもとはちょっと違った(若干派手な)服装をしてきた女性社員に対し、『今日は、気合入っているな~。彼氏とデートなの?』といった発言は、プライベートに踏み込んだ発言とみなされ、
セクハラ行為となる可能性がありますので、言わないほうが無難でしょう。

『薄着女性がいっぱいでドキドキしちゃったよ~』

『今日は、俺が乗っている(電車の)車両にに薄着の女子大生がわんさか乗ってきてさ~、なんだかどきどきしちゃったよ~』
これも、女性を性的対象と見ていることが想像されますので、言わないほうが無難です。

ポイントは、男性の発言に対して、女性が不愉快に感じればセクハラと判断されかねませんので、注意が必要です。


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セクハラの2次被害

例えば、若手女子社員が、男性上司に、『○○という先輩社員が、仕事終わったら飲みに行こうとしつこく誘ってくるんです』と相談したとします。

それを聞いた上司が、『君は美人だから、大変だね~』などと言ってしまうこともあると思いますが、このような一見、相手の女性を褒めているような発言も、美人=性的魅力があると受け取られると、セクハラの2次被害を受けたとなりかねません。

また、『男性を上手くあしらうことも仕事の一つだよ』とか『もっとはっきり断らない君にも原因があるよ』などの発言は、女性に『誰にも相談できない』と思わせることになり、精神的に追い詰めてしまいます。

相談を受けた場合は、決して被害女性を責めず、問題解決の糸口を冷静に探っていくことが必要です。

ちょっとだけ疑問に思うこと

最後に、昨今のセクハラ発言などを巡る問題で、ちょっとだけ疑問に思うことというか、過剰すぎるセクハラに関する意識が、逆の意味でハラスメントにつながるのでは無いだろうか?という問題提起をさせて頂きたいと思います。
つまり、例えば、好みの男性やイケ面の男性と、脂汗かいている、小太りの中年男性がいたとして、彼らから全く同じことを言われた女性が、前者は容認して、後者には『セクハラだ!』と言う場合があります。
女性が不愉快に思うかどうかが、セクハラ発言のポイントであるので、しようがないと言えばしようがないのですが、これがどんどんエスカレートした場合、年配の容姿も冴えない男性に対するモラルハラスメント的な方向に向かわないかと危惧します。中年以上の容姿も悪い男性に対し、『あなたたちは、もはや男ではない!生きている意味がない!』というような新種のハラスメントが登場しないことを祈ります。

 

現代のセクハラの境界線は、30年前とは違い、かなり厳しく線が引かれるようになりました。
会社員や公務員の場合、軽はずみな発言で、懲戒免職にならないとも限りません。
世知辛い世の中になったと嘆きたくなる人もいると思いますが、軽はずみな発言は、セクハラと捉えられかねなくなっておりますので、最大限の注意を払ったほうがよさそうです。


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